関節リウマチ rheumatism

主な症状

関節リウマチは、30～50歳代の女性に多く発症します

関節リウマチの発症のピークは、30～50代ですが、60歳以降に発症する方も少なくありません。男性にくらべ女性の方が約4倍も多く発症しています。

ほおっておくと関節が変形してしまいますが、早期に診断・治療すれば、進行を抑制することができます

関節リウマチは、関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊され、関節の機能が損なわれて、放っておくと関節が変形する病気です。腫れや激しい痛みなどの関節の症状に加え、発熱・疲れやすい・食欲がないなどの全身症状が生じることもあります。

貧血・目の乾き・息切れ・口の乾き・口内炎などの症状が出ることもあります。最近の研究では、関節破壊は関節リウマチの発症後、早期から進行することが明らかになっています。早期に発見し、早期から適切な治療を行えば、症状をコントロールでき、関節破壊の進行を防ぐことができます。

治療方法が進歩しており、寛解や完全治癒も期待できます

発症して2年以内の治療が重要です

以前は、関節リウマチの治療は有効な治療法もなく、痛み止めなどの対症療法のみで経過を見ることが通常で、関節リウマチは、慢性化し徐々に進行する病気と考えられていました。現在、リウマチの治療薬には免疫抑制薬や生物学的製剤など関節破壊を止めるだけでなく、修復する可能性のある治療まで出現し、寛解や完全治癒まで目指せる時代になっています。

関節リウマチにおける骨関節の破壊は発症後2年以内に急速に進行することが判ってきました。このため、発症初期2年間（実際は半年から1年くらい）に、より積極的に、徹底的に治療を行うことが重要です。この2年間のことを「Window of opportunity（治療効果の最も高い限られた時期）」といい、治療に重要な時期と位置付けられています。

リウマチ専門医による正しい診断を受け、発症早期からより適切な治療を受けられることをお勧めいたします。 リウマチ性疾患は、近年急速に治療方法が進歩しており、免疫抑制剤や生物学的製剤など、治療効果の高い薬剤が相次いで開発されております。

ただ、治療費が高額であったり、副作用や合併症に十分注意をしなければなりません。当院では、患者さんの病状やご希望に合わせた適切な診療を行い、必要な際には松戸市立総合医療センターのリウマチ膠原病センターとも連携して、より良い治療を進めて行きます。

関節リウマチが寛解しても、骨のケアが重要です

関節リウマチによる痛みや腫れなどの症状が治療によって改善し、日常生活が支障なく送れるようになり、健常者と同じような状態を維持できるようになることを「寛解」といいます。定期的な内服を続ける必要が多いため、「完治」とは言えませんが、血液検査も正常化するようになってきました。

これまで関節リウマチはこの寛解状態に持ち込むことが困難でしたが、最近では、治療法の飛躍的進歩により寛解導入が可能になってきています。

治療は数年に渡りますので、骨粗しょう症が併発することも多いため、骨量・骨質を評価し、必要な治療をすることが重要です。（骨粗しょう症の欄をご参照ください）

関節破壊が進行しても、手術によって機能の回復が可能です

上記の薬物療法でも徐々に関節の変形・破壊が進行し日常生活に支障をきたすような場合は手術による治療が必要になります。

手、肩、肘、膝、足、脊椎、股関節など、手術は専門的な知識と技術が必要ですが、これらの手術により障害された関節の機能を回復し、問題ない日常生活に復帰することが可能となります。手術はより専門的な手術を受けられる病院をご紹介いたしますが、手術後のリハビリが重要ですので、術後のリハビリが必要な場合は当院で担当させていただきます。