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股関節疾患 articulatio_coxae

股関節の仕組みと役割

股関節の仕組み

股関節は人体の中でも最大の関節で、胴体と足をつなぎ、体重を支える重要な役割があります。大腿骨の先端にあるボールの形をした大腿骨頭と、骨盤側で骨頭の受け皿になるお椀の形をした臼蓋との組み合わせでできています。

通常の歩行でも体重の3~4倍の力がかかるため、股関節は様々な筋肉や靭帯で全体を覆われており、そのおかげで安定性を保ちつつ色々な方向に動かすことができます。

主な股関節疾患

大腿骨近位部骨折

大腿骨頸部や転子部と言われる部位で起こる骨折を大腿骨近位部骨折と呼びます。骨折すると脚の付け根に痛みを感じ、通常の歩行だけでなく、仰向けの状態から膝を立てる、足を持ち上げるといった動作ができなくなります。骨が弱くなった(骨粗しょう症)高齢女性に多い疾患です。できるだけ早期の治療が重要であり、骨折した部位を安定化させ、骨癒合が順調に進むよう手術療法が基本です。

ケガをした直後のレントゲンでは骨折が見つからず、数日後にレントゲンで骨折が明らかになる場合もあります。股関節部の傷みが持続する もしくは強くなった場合は繰り返しレントゲン検査を受けてください。手術後は筋力強化や歩行訓練などのリハビリを行い、生活の質を下げないことを目指します。骨折に対する治療中に骨粗しょう症が明らかになる場合が多く、その後の骨折を予防するため、骨粗しょう症治療を開始し、継続することが重要です。

大腿骨頭壊死

大腿骨頭壊死とは股関節にある大腿骨頭の血流が障害され、骨が壊死した状態のことを指します。壊死した部分は骨の修復能力がないため、壊死の範囲や部位によっては、大腿骨頭の変形を生じ、歩行や立ち上がり動作の時に痛みが出ます。多量の飲酒やステロイド剤の使用が誘因になるともいわれますが、原因がわからない場合(特発性)もあり、国の難病に指定されています。

内服治療と生活の工夫などで治療を開始し、痛みと日常動作の制限が強い場合は、骨切り術や人工関節置換術などの手術療法を行うことがあります。他の病院で手術を勧められ、迷われている方は、セカンドオピニオンの目的で来院されることも可能です。

変形性股関節症

骨切り術の前にまずリハビリテーションを

体幹の強化が重要です。人工股関節が必要と言われた場合でも、一度ご相談にお出でください

変形性股関節症は関節軟骨の摩耗や破壊、変性が生じる疾患です。股関節の痛みや可動域の低下等で日常生活動作の制限が生じます。初期は立ち上がる時や歩き始める時に痛みがあることが多いですが、次第に座っている時や安静時にも痛みが出るようになります。

加齢やスポーツなどの過負荷による一次性のもの、発育性股関節形成不全(臼蓋形成不全)などによる二次性のものがありますが、日本人はほとんどが後者といわれています。特に女性に多く見られます。

治療は保存療法がメインになります。痛み止めの服用をはじめ、関節に過度の負担がかからないように、生活様式や仕事内容およびスポーツ種目の見直しをします。適切な体重管理も重要です。

スポーツはサイクリングや水中ウォーキングなど股関節に負荷がかかりにくいスポーツが望ましいのですが、痛みがひどい場合は杖を使用することも有効です。

発育性股関節形成不全で、年齢が若く、関節症が進行していない場合は、歩く際に股関節が不安定な動きをすることが判っております。適切なリハビリを行い、股関節周囲筋と体幹筋を強化することで、関節の安定性が向上し、疼痛が改善することが期待できます。

進行期から末期の関節症でも、適切な保存的治療(リハビリ、内服薬、注射)によって 疼痛が改善することがありますので、人工股関節が必要と言われた場合でも、一度ご相談にお出でください。

保存療法で改善が見られない場合、年齢が若い方(20歳代など)には骨切り術を、関節破壊が進行した場合は人工股関節全置換術の手術を検討します。

人工股関節置換術は、MIS(最小侵襲手術)による1週間前後での入院治療が可能となっており、院長自らの執刀で手術を受けていただくことも可能です。